中等度のアルツハイマー型認知症の80歳の女性に、メマンチンが追加された。家族から…
中等度のアルツハイマー型認知症の80歳の女性に、メマンチンが追加された。家族から、この薬がどのように働くのかと質問された。メマンチンの作用の仕組みとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 脳内でドパミンに変わって、線条体のドパミン受容体を刺激し、運動の症状を改善する。これはパーキンソン病に用いるレボドパの作用です。
- ⑵ アセチルコリンを分解する酵素を可逆的に阻害し、シナプスのアセチルコリンを増やす。これはドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬の作用です。
- ⑶ グルタミン酸のNMDA受容体を遮断し、過剰な興奮による神経細胞の障害を抑える。メマンチンはNMDA受容体のチャネルを遮断し、グルタミン酸による過剰な刺激から神経を守ります。
- ⑷ アミロイドβたんぱく質に結合する抗体として働き、脳にたまった老人斑を取り除く。これは点滴で用いる抗アミロイドβ抗体の作用で、内服のメマンチンの仕組みとは異なります。
- ⑸ ガンマアミノ酪酸の受容体に結合し、塩化物イオンの流入を増やして興奮を抑える。これはベンゾジアゼピン系の薬などの作用で、メマンチンの仕組みではありません。
解説
正解は、グルタミン酸のNMDA受容体を遮断し、過剰な興奮による神経細胞の障害を抑えるというものです。アルツハイマー型認知症では、グルタミン酸による持続的な刺激が神経細胞の障害や記憶の情報の伝わりにくさにつながると考えられています。メマンチンはこの受容体のチャネルを遮断して過剰な刺激を抑えます。中等度以上で用いられ、コリンエステラーゼ阻害薬と併用されることもあります。
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