6 歳の女児。1 時間前に父親の足があたり右眼を受傷し、右眼痛、複視および悪心を…
6 歳の女児。1 時間前に父親の足があたり右眼を受傷し、右眼痛、複視および悪心を訴えて来院した。眼窩CT 冠状断(別冊No. 10)を別に示す。治療方針として適切なのはどれか。
- ⑴ 抗菌薬を点眼する。抗菌薬の点眼では嵌頓した外眼筋を解除できません。
- ⑵ 自然治癒がみられるため経過観察とする。筋が嵌頓したままでは虚血が進むため、経過観察は不適切です。
- ⑶ 手術で眼窩外に嵌頓した組織を眼窩内に整復する。嵌頓した組織を早急に手術で眼窩内へ整復する必要があります。
- ⑷ 直ちに外眼筋の後転術を行う。外眼筋の後転術は嵌頓の治療にはなりません。
- ⑸ 副腎皮質ステロイド薬を全身投与する。ステロイドの全身投与だけでは嵌頓は解除できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。小児の眼窩部の鈍的外傷で、眼痛と複視に悪心を伴う場合は、眼窩底の線状骨折(trapdoor型)で下直筋などの外眼筋が骨折部に嵌頓していることを強く疑います。小児の骨は弾力があるため骨片が元に戻って筋を挟み込み、筋の虚血・壊死が進むおそれがあるほか、眼心臓反射で悪心や徐脈を起こします。眼窩CTで嵌頓を確認したら、できるだけ早く手術で嵌頓した組織を眼窩内に整復する必要があり、経過観察は不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-10.html)を加工して作成