29 歳の男性。自転車運転中に街路樹にぶつかり転倒し鼻出血があった。その後、複視…
29 歳の男性。自転車運転中に街路樹にぶつかり転倒し鼻出血があった。その後、複視を自覚し来院した。視力は両眼ともに1.2(矯正不能)。Hess 赤緑試験の結果(別冊No. 9)を別に示す。この患者で考えられるのはどれか。
- ⑴ 甲状腺眼症甲状腺眼症は自己免疫疾患で、外傷との関連はありません。
- ⑵ 下斜筋過動症下斜筋過動症は外傷後の急な複視の原因として典型的ではありません。
- ⑶ 滑車神経麻痺滑車神経麻痺は頭部外傷で起こりますが、鼻出血を伴う顔面外傷では吹き抜け骨折がより考えられます。
- ⑷ 重症筋無力症重症筋無力症は外傷とは関係のない自己免疫疾患です。
- ⑸ 眼窩吹き抜け骨折顔面打撲後の鼻出血と複視から、眼窩吹き抜け骨折が考えられます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。顔面を強打した後の鼻出血と複視は、眼窩の下壁や内側壁が骨折する眼窩吹き抜け骨折を示唆します。鼻出血は骨折部から上顎洞や篩骨洞を経て鼻腔に出血するために起こります。図は確認できませんが、Hess赤緑試験では下直筋などが骨折部に挟まれて、患眼の上転や下転が制限されるパターンが想定されます。CTで骨折と筋の絞扼を確認し、筋の絞扼がある場合(特に若年者の閉鎖型骨折)は早期の手術が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-10.html)を加工して作成