2 歳6 か月の男児。約3 か月前から左眼の瞳が白いことに気付いた母親と来院した…
2 歳6 か月の男児。約3 か月前から左眼の瞳が白いことに気付いた母親と来院した。発達は年齢相当である。外傷歴はない。絵視標で右視力0.6、左眼は遮閉を嫌がり視力検査ができない。角膜反射は両眼とも瞳孔中央に観察される。レチノスコープでは、右眼は徹照良好、左眼は徹照がみられない。頭部CT(別冊No. 11)を別に示す。左眼球下方に高信号(矢印)が観察される。考えられる病態はどれか。
- ⑴ 眼内異物外傷歴がなく、眼内異物は考えにくいです。
- ⑵ 網膜剝離網膜剝離では眼内の石灰化は通常みられません。
- ⑶ 先天白内障先天白内障は水晶体の混濁で、眼内の石灰化病変はみられません。
- ⑷ 網膜芽細胞腫乳幼児の白色瞳孔とCTでの眼内石灰化は網膜芽細胞腫に典型的です。
- ⑸ 先天網膜分離症先天網膜分離症は網膜の分離で、石灰化はみられません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。乳幼児の白色瞳孔で、レチノスコープで左眼の徹照(眼底からの反射)がみられず、頭部CTで左眼球内に高吸収の病変(石灰化)を認めることから、網膜芽細胞腫が考えられます。網膜芽細胞腫は乳幼児の眼内悪性腫瘍で、腫瘍内の石灰化がCTで検出されることが特徴です。外傷歴がないことから眼内異物は否定的で、網膜剝離、先天白内障、先天網膜分離症では通常石灰化はみられません。早期診断と治療が生命予後に関わります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-10.html)を加工して作成