48 歳の女性。9か月前からの両眼の充血、乾燥感と羞明、水平複視を主訴に来院した…
48 歳の女性。9か月前からの両眼の充血、乾燥感と羞明、水平複視を主訴に来院した。視力は右0.3(1.2×-2.00D)、左0.2(1.2×-2.00D)で、両眼とも上転と外転の不全がみられる。大型弱視鏡検査での第1眼位の自覚的斜視角は、+13°、L/R2°、Ex4°である。前眼部写真と眼窩MRI の結果(別冊No. 12)を別に示す。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 甲状腺眼症両眼の充血・乾燥感と上転・外転不全、外眼筋の肥大は甲状腺眼症に典型的です。
- ⑵ 外転神経麻痺外転神経麻痺では外転障害のみで、上転障害や充血は説明できません。
- ⑶ 重症筋無力症重症筋無力症は日内変動のある眼瞼下垂・複視が特徴で、充血は伴いません。
- ⑷ 動眼神経麻痺動眼神経麻痺では眼瞼下垂や内転・上下転の障害を示し、本例とは合いません。
- ⑸ 内頸動脈海綿静脈洞瘻内頸動脈海綿静脈洞瘻は多くが片眼性で、拍動性眼球突出や眼圧上昇を伴います。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。中年女性の両眼の充血、乾燥感、羞明に加え、上転と外転の不全による複視がみられる経過は甲状腺眼症に典型的です。下直筋や内直筋が肥大・線維化して伸展しにくくなるため上転と外転が制限され、内斜視(+13°)と上下偏位を生じます。眼窩MRIでは外眼筋の筋腹の肥大、前眼部では眼瞼後退や結膜充血がみられます。外転神経麻痺や動眼神経麻痺は片眼の神経麻痺、重症筋無力症は日内変動、内頸動脈海綿静脈洞瘻は片眼の拍動性突出などが特徴です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp220421-10.html)を加工して作成