45 歳の女性。一眼の羞明と霧視を主訴に来院した。眼球運動に異常を認めず、運動失…
45 歳の女性。一眼の羞明と霧視を主訴に来院した。眼球運動に異常を認めず、運動失調や深部腱反射の異常も認めない。瞳孔の写真(別冊No. 6)を別に示す。考えられる病態はどれか。
- ⑴ Horner 症候群Horner症候群は縮瞳と軽度眼瞼下垂を示し、羞明や霧視は典型ではありません。
- ⑵ Marcus Gunn 瞳孔Marcus Gunn瞳孔は片眼の視神経障害による相対的瞳孔求心路障害で、瞳孔径に左右差は生じません。
- ⑶ 近見反応痙攣近見反応痙攣は縮瞳・調節痙攣・輻湊痙攣を示すもので、片眼の散瞳ではありません。
- ⑷ 瞳孔緊張症片眼の散瞳と羞明、調節障害による霧視は瞳孔緊張症に典型的です。
- ⑸ 動眼神経麻痺動眼神経麻痺では眼球運動障害や眼瞼下垂を伴うことが多く、本例に合いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。瞳孔緊張症(Adie瞳孔)は、毛様体神経節の障害による片眼性の散瞳で、対光反射が消失または著しく減弱し、近見反応ではゆっくり縮瞳して戻りも遅い(緊張性)のが特徴です。若年~中年の女性に多く、散瞳による羞明と、調節障害による霧視を訴えます。低濃度ピロカルピンに過敏に縮瞳することで診断を補助します。眼球運動障害がないので動眼神経麻痺は否定的で、腱反射の異常がない点からAdie症候群の全身所見は伴わない病態と考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成