44 歳の女性。右側顎関節部の開口時痛を主訴として来院した。2 年前から関節音を…
44 歳の女性。右側顎関節部の開口時痛を主訴として来院した。2 年前から関節音を自覚していたが、6 か月前から音が消失し口が開きづらくなってきたという。顎関節部に腫脹と発赤はなく、最大開口量は38 mm である。初診時のエックス線画像(別冊No. 4A)、CT(別冊No. 4B)及び右側顎関節のMRI(別冊No. 4C)を別に示す。最も疑われるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 顎関節強直症顎関節強直症では開口量が著しく制限され、骨性や線維性の癒着を示します。本例は38mm開口できます。
- ⑵ 滑膜性軟骨腫症滑膜性軟骨腫症は関節腔内の多数の遊離体と関節部の腫脹が特徴で、本例の経過とは異なります。
- ⑶ 痛風性顎関節炎痛風性顎関節炎は尿酸結晶の沈着による急性炎症で、発赤や腫脹を伴うことが多いです。
- ⑷ 変形性顎関節症関節音の消失後の開口障害と下顎頭の退行性変化から、変形性顎関節症が最も疑われます。
- ⑸ 急性化膿性顎関節炎急性化膿性顎関節炎では関節部の腫脹、発赤、熱感、強い疼痛を伴いますが、本例にはありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。画像は提示されていませんが、以前からあった関節音が消失し、その後開口しづらくなった経過は、関節円板の前方転位が非復位性となり、さらに下顎頭に変形が生じた変形性顎関節症(顎関節症Ⅳ型)に典型的です。画像では下顎頭の骨皮質の断裂や吸収、骨棘形成などの退行性変化がみられ、MRIでは非復位性の円板前方転位を伴うことが多いです。最大開口量38mmで強直はなく、腫脹や発赤がないことから化膿性関節炎も否定的です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成