77 歳の女性。閉口不能を主訴として来院した。5 年前に脳梗塞を発症し、以来介護…
77 歳の女性。閉口不能を主訴として来院した。5 年前に脳梗塞を発症し、以来介護施設に入所している。6 か月前から閉口が困難となり、摂食量が減少し、会話も少なくなっていたという。初診時のエックス線画像(別冊No. 13)を別に示す。適切な治療法はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ スプリント療法スプリント療法は顎関節症などの治療で、陳旧性脱臼の整復はできません。
- ⑵ 顎関節開放手術長期間経過した陳旧性脱臼は徒手整復が困難なため、関節を開放して観血的に整復します。
- ⑶ 関節鏡視下授動術関節鏡視下授動術は関節円板の癒着などに行う低侵襲手術で、陳旧性脱臼の整復には不十分です。
- ⑷ 関節腔内洗浄療法関節腔内洗浄療法は顎関節症のクローズドロックなどに行う治療で、脱臼の整復にはなりません。
- ⑸ パンピングマニピュレーションパンピングマニピュレーションは関節円板障害などに行う治療で、陳旧性脱臼の整復にはなりません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。画像は提示されていませんが、脳梗塞後で介護施設に入所中の高齢者が6か月前から閉口できず、摂食量や会話も減っていることから、顎関節脱臼が長期間放置された陳旧性顎関節脱臼が考えられます。脱臼から長期間が経過すると、下顎頭周囲の線維化や関節結節前方での癒着、咀嚼筋の拘縮により、徒手整復は困難となります。そのため顎関節を開放して観血的に整復する顎関節開放手術が適応となります。スプリント療法や関節腔内洗浄療法、パンピングは顎関節症の治療で、関節鏡視下授動術も本例には不十分です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成