20 歳の女性。下顎前突を主訴として来院した。中学生のころから自覚しているという…
20 歳の女性。下顎前突を主訴として来院した。中学生のころから自覚しているという。外科的矯正治療の適応と診断した。下顎枝矢状分割術後に行う手術の切開線を示した口腔内写真(別冊No. 27A)と術中写真(別冊No. 27B、C、D)を別に示す。この手術の合併症で注意が必要なのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 開口障害オトガイ部の手術では咀嚼筋に影響せず、開口障害は典型的な合併症ではありません。
- ⑵ 口笛不能口笛不能は顔面神経の障害で生じるもので、本手術の典型的な合併症ではありません。
- ⑶ 呼吸困難口底部の血腫や浮腫により気道が狭窄し、呼吸困難を生じるおそれがあります。
- ⑷ 歯根の損傷骨切り線が前歯の根尖に近いと、歯根を損傷するおそれがあります。
- ⑸ 下唇の知覚鈍麻オトガイ神経の牽引・損傷により、下唇の知覚鈍麻が生じます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑷と⑸です。写真は確認できませんが、下顎前突に対し下顎枝矢状分割術に続いて行う下顎前歯部唇側の切開から、オトガイ形成術(オトガイ部の骨切り)と考えられます。合併症として、口底部の血腫や浮腫による気道狭窄で呼吸困難を起こすことがあり、骨切り線が下顎前歯の根尖に近いと歯根を損傷するおそれがあります。またオトガイ神経の牽引や損傷により下唇の知覚鈍麻が生じます。開口障害や口笛不能は典型的な合併症ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成