28 歳の女性。開口困難を主訴として来院した。2 年前から左側顎関節部の疼痛を自…
28 歳の女性。開口困難を主訴として来院した。2 年前から左側顎関節部の疼痛を自覚し、近医でスプリント療法を受けていたが、開口量が2 横指まで減少してきたという。初診時のエックス線画像(別冊No. 30A)、左側顎関節部のCT(別冊No. 30B)、MRI(別冊No. 30C)及び切除物のH-E 染色病理組織像(別冊No. 30D)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 骨腫骨腫は成熟した骨組織の良性腫瘍で、関節腔内の多数の遊離体は形成しません。
- ⑵ 骨肉腫骨肉腫は悪性骨腫瘍で、異型な骨芽細胞による類骨形成が特徴です。
- ⑶ 変形性顎関節症変形性顎関節症では下顎頭の骨変形がみられますが、多数の遊離軟骨体は特徴ではありません。
- ⑷ 滑膜性骨軟骨腫症滑膜の化生で軟骨結節が形成され、関節腔内に多数の遊離体を生じる疾患です。
- ⑸ リウマチ性顎関節炎リウマチ性顎関節炎では滑膜炎と骨破壊が特徴で、軟骨結節の遊離体は形成しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。画像や組織像は確認できませんが、若年女性で長期の顎関節痛と進行性の開口障害を示し、切除物の組織像が提示されていることから、滑膜性骨軟骨腫症が考えられます。滑膜の化生により多数の軟骨結節が形成され、関節腔内に遊離体(関節ねずみ)として現れ、石灰化するとCTで多数の小さな石灰化物として描出されます。組織学的には硝子軟骨の結節がみられます。治療は遊離体と病的滑膜の摘出です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成