75 歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。3 年前に脳梗塞の診断を受けた…
75 歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。3 年前に脳梗塞の診断を受けたが、認知機能の低下や四肢麻痺はなく、現在は積極的なリハビリテーションを行っていないという。食事形態はミキサー食で水分にはとろみをつけておらず、20分程度で全量食べているとのことであった。初診時に行った改訂水飲みテストでむせを認めたが、嚥下時の喉頭挙上量は十分であった。嚥下造影検査の画像(別冊No. 15)を別に示す。推奨されるのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 頭部挙上訓練頭部挙上訓練は喉頭挙上や食道入口部の開大が不十分な場合の訓練で、喉頭挙上が十分な本症例では優先されません。
- ⑵ プッシング訓練プッシング訓練は声門閉鎖を強化し、誤嚥の防止に役立ちます。
- ⑶ アイスマッサージアイスマッサージは嚥下反射の惹起を促す訓練で、本症例の問題への対応としては優先度が低いです。
- ⑷ 水分のとろみ付与水分にとろみを付けると咽頭への流入が遅くなり、誤嚥を防ぎやすくなります。
- ⑸ 息こらえ嚥下の指導息こらえ嚥下で嚥下前に声門を閉鎖し、気道への流入を防ぎます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑷と⑸です。嚥下造影画像は確認できませんが、改訂水飲みテストでむせがあり、喉頭挙上は十分で、水分にとろみを付けていないことから、液体の誤嚥や喉頭侵入が問題と考えられます。誤嚥を防ぐため水分にとろみを付けて流入速度を遅くし、息こらえ嚥下で嚥下前に声門を閉じて気道を守ります。声門閉鎖を強化するプッシング訓練も有効です。頭部挙上訓練は喉頭挙上が不十分な場合、アイスマッサージは嚥下反射の誘発が遅い場合に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成