上顎両側中切歯の歯冠補綴を行うこととした。前処置中の口腔内写真(別冊No. 3A…
上顎両側中切歯の歯冠補綴を行うこととした。前処置中の口腔内写真(別冊No. 3A、B)を別に示す。この前処置の目的はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 歯髄除去歯髄除去は前処置の目的ではなく、歯冠長延長術とは別の歯内療法の処置です。
- ⑵ 歯根長の延長歯冠長延長術や挺出では歯根の長さそのものを延長することはできません。
- ⑶ フェルールの獲得歯肉縁上に健全歯質を確保して、フェルール(帯環効果)を獲得します。
- ⑷ 支台歯平行性の確保支台歯の平行性は支台歯形成で確保するもので、この前処置の目的ではありません。
- ⑸ 生物学的幅径〈骨縁上組織付着〉の獲得マージンと骨頂との距離を確保し、生物学的幅径(骨縁上組織付着)を獲得します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑸です。写真は確認できませんが、上顎中切歯の歯冠補綴に先立ち、歯冠歯根破折や歯肉縁下に及ぶ齲蝕などで残存歯質が不足している場合に行う歯冠長延長術(または矯正的挺出)を想定した問題と考えられます。この前処置の目的は、歯肉縁上に健全歯質を確保して帯環効果(フェルール)を得ることと、補綴装置のマージンが骨縁上組織付着(生物学的幅径)を侵さないようにすることです。歯根の長さ自体は延長できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成