62歳の男性。重度の慢性歯周炎で歯周基本治療を終えた。臼歯部の多くの歯を失ってお…
62歳の男性。重度の慢性歯周炎で歯周基本治療を終えた。臼歯部の多くの歯を失っており、上顎前歯は唇側へ傾いて歯の間が開き、動揺のため前歯で物を噛み切りにくい。再評価で炎症は改善している。今後の治療の進め方として適切なのはどれか。3つ選べ。
- ⑴ 前歯の離開を閉じるため、炎症が残るうちに強い矯正力をかけて歯を移動させる。炎症が残る歯周組織に矯正力をかけると、骨吸収が急速に進みます。
- ⑵ 動揺の強い前歯どうしを暫間固定し、咀嚼時の力を分散させる。暫間固定で動揺歯への負担を分散すると、咀嚼機能が改善し、歯周組織の安定も得やすくなります。
- ⑶ 前歯の移動を招いた臼歯部の咬合支持の喪失を補う補綴を計画する。臼歯部の咬合支持を失うと前歯に過大な力がかかり、前歯が唇側へ移動します。原因に対処します。
- ⑷ 炎症が抑えられた状態を確かめてから、最終補綴装置の設計を決める。歯周組織が安定してから最終補綴を行うと、補綴装置の予後がよくなります。
- ⑸ 動揺歯を支えるため、炎症の管理より先に最終補綴装置を装着する。炎症が残ったまま最終補綴を行うと、歯周炎が進んで装置ごと失うおそれがあります。
解説
動揺の強い前歯を暫間固定すること、臼歯部の咬合支持を補う補綴を計画すること、炎症の安定を確かめてから最終補綴の設計を決めることの3つが適切です。重度の歯周炎で臼歯部の咬合支持を失うと、前歯に過大な力がかかって唇側へ移動し、歯間が開きます。歯周基本治療で炎症を抑えたあと、暫間固定や暫間補綴で機能を回復させ、再評価で安定を確かめてから最終補綴へ進みます。矯正治療も炎症が抑えられてから行います。
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