22歳の女性。前歯で食物を噛み切れないことを主訴に来院した。奥歯を咬み合わせても…
22歳の女性。前歯で食物を噛み切れないことを主訴に来院した。奥歯を咬み合わせても前歯部に5mmの垂直的なすき間があり、顔の下3分の1が長い。頭部エックス線規格写真で、上顎の臼歯部の歯槽部が垂直的に過成長し、下顎は後下方へ回転している。下顎骨の前後的な大きさは標準的である。外科的矯正治療で行う手術として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 下顎の前歯部の歯槽骨を切り、前歯部を後方へ移動させる。前歯部の後方移動は両顎前突などの手術で、垂直的なすき間の原因に対応していません。
- ⑵ 下顎枝矢状分割術で、下顎骨全体を後方へ移動させる。下顎を後方へ下げるのは下顎前突の手術で、下顎の大きさが標準的なこの症例には合いません。
- ⑶ ルフォーⅠ型骨切り術で、上顎骨の後方部を上方へ移動させる。上顎後方部を上げると下顎が前上方へ回転し、前歯部のすき間が閉じます。
- ⑷ 上顎の正中口蓋縫合を急速拡大し、臼歯部の接触を減らす。成人では縫合が癒合しており、側方の拡大は垂直的な問題も解決しません。
- ⑸ 舌の一部を切除し、舌の大きさを小さくする。舌の縮小は巨舌症が原因の場合の手術で、この症例の原因は上顎の過成長です。
解説
ルフォーⅠ型骨切り術で上顎骨の後方部を上方へ移動させるのが最も適切です。上顎の臼歯部が垂直的に過成長すると、臼歯が先に接触して下顎が後下方へ回転し、前歯部に開咬が生じて顔の下3分の1が長くなります。上顎の後方部を上げると、下顎が前上方へ回転して前歯が咬み合い、顔の高さも改善します。手術の前後に矯正治療を組み合わせて行います。
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