その後、ブリモニジンの追加によっても十分な効果が得られないため、ラタノプロスト及…
59 歳男性。1 年前の勤務先の定期健康診断で眼圧高値を指摘され、専門医で精密検査を受けるよう勧められた。その後、市立病院眼科を受診したところ、原発性開放隅角緑内障と診断され、処方1 の薬剤による治療を受けていた。しかし、眼圧低下効果が十分に得られないため、本日、新たに処方2 が追加され来局した。(処方1 )ラタノプロスト点眼液 0.005%(2.5 mL/本) 1 本1 日1 回 夕 両目に点眼(処方2 )ブリモニジン酒石酸塩点眼液 0.1%(5 mL/本) 1 本1 日2 回 朝夕 両目に点眼
その後、ブリモニジンの追加によっても十分な効果が得られないため、ラタノプロスト及びブリモニジンのどちらとも作用機序の異なる薬物を含む薬剤を追加することとなった。追加できる薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ プロスタノイド FP 受容体を刺激して、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出を促進する。FP受容体刺激はラタノプロストと同じ作用機序であり、作用機序の異なる薬には当たりません。
- ⑵ アドレナリン β 及び α1 受容体を遮断して、毛様体上皮細胞による房水産生を抑制するとともに、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出を促進する。β・α1受容体遮断薬(ニプラジロールなど)は既存2剤と作用機序が異なり、追加できる薬として正答です。
- ⑶ アドレナリン α2 受容体を刺激して、毛様体上皮細胞による房水産生を抑制する。α2受容体刺激はブリモニジンと同じ作用機序であり、追加する意味がありません。
- ⑷ Rho キナーゼを阻害して、線維柱帯細胞の細胞骨格を変化させることで、線維柱帯-シュレム管流出経路からの房水排出を促進する。Rhoキナーゼ阻害薬(リパスジル)は線維柱帯経路からの流出を促し既存2剤と機序が異なるため、正答です。
- ⑸ BK チャネル(大コンダクタンス Ca²⁺ 依存性 K⁺ チャネル)を遮断して、線維柱帯-シュレム管流出経路からの房水排泄を促進する。BKチャネルの遮断を作用機序とする緑内障治療薬は存在せず、記述は正しくありません。
解説
正解は⑵と⑷です。ラタノプロストはプロスタノイドFP受容体刺激でぶどう膜強膜流出路からの房水排出を促し、ブリモニジンはα2受容体刺激で房水産生を抑えます。これらと異なる作用機序の薬として、ニプラジロールなどのβ・α1受容体遮断薬(房水産生抑制とぶどう膜強膜流出促進)や、リパスジルなどのRhoキナーゼ阻害薬(線維柱帯−シュレム管経路からの排出促進)が追加できます。BKチャネル遮断を作用機序とする緑内障治療薬はありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成