処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
8 歳女児。身長 128 cm、体重 28 kg。前日より突然の発熱、関節痛、咽頭痛、咳嗽が出現し、自宅で経過をみていたが軽快せず、近医を受診した。検査の結果、A 型インフルエンザと診断され、処方1 ~処方4 が記載された処方箋を持参して来局した。薬剤師は処方箋に基づき、吸入薬の使い方や内服薬について説明することにした。(処方1 )ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入粉末剤 20 mg 1 本1 回1 吸入 1 日1 回 朝 吸入(処方2 )カルボシステインドライシロップ 50% 1 回 0.56 g(1 日 1.68 g)アンブロキソール塩酸塩ドライシロップ小児用 1.5%1 回 0.56 g(1 日 1.68 g)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分(処方3 )メジコン配合シロップ(注) 1 回3 mL(1 日9 mL)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分注:1 mL 中にデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 2.5 mg、クレゾールスルホン酸カリウム 15 mg を含有する。(処方4 )アセトアミノフェンドライシロップ小児用 20%1 回 1.5 g発熱時 5 回分
処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 気道粘膜において漿液分泌を減少させるとともに、線毛運動を亢進させる。アンブロキソールは肺サーファクタントや漿液の分泌を促進します。漿液分泌を減少させる薬は処方にありません。
- ⑵ 視床下部の体温調節中枢に作用し、熱放散を促進させて解熱作用を示す。アセトアミノフェンは体温調節中枢に作用して熱放散を促し解熱作用を示すため、正答です。
- ⑶ 知覚神経の ATP P2X3 受容体を遮断し、神経興奮を抑制する。P2X3受容体遮断はゲーファピキサントの作用で、処方1〜4のいずれの薬物にも該当しません。
- ⑷ 活性代謝物がインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害し、感染細胞からのウイルスの放出を抑制する。ラニナミビルオクタン酸エステルの活性代謝物がノイラミニダーゼを阻害しウイルス放出を抑えるため、正答です。
- ⑸ 痰中のムチンのジスルフィド結合を開裂させ、痰の粘調性を低下させる。ムチンのジスルフィド結合を開裂するのはアセチルシステインなどで、カルボシステインは粘液構成を正常化する薬です。
解説
正解は⑵と⑷です。処方4のアセトアミノフェンは視床下部の体温調節中枢に作用し、皮膚血管拡張や発汗による熱放散を促して解熱作用を示します。処方1のラニナミビルオクタン酸エステルはプロドラッグで、気道で加水分解されて生じた活性代謝物ラニナミビルがノイラミニダーゼを阻害し、感染細胞からのウイルス放出を抑えます。処方2のアンブロキソールは漿液分泌と線毛運動を促進し、カルボシステインは粘液構成成分を正常化します。P2X3受容体遮断はゲーファピキサントの作用です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成