処方2 及び処方3 を確認した薬剤師が、聞き取り内容を考慮し、処方に関して医師へ…
58 歳男性。身長 168 cm、体重 70 kg。3 年前に2 型糖尿病と診断され、食事療法と運動療法に加え、処方1 の薬剤で治療を受けていた。足に痛みやしびれが生じたため、本日、処方2 及び処方3 の薬剤が追加になり、検査値が併記された処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師による聞き取りにより、半年前から他の医療機関で処方されたパロキセチン錠 20 mg を服用していることが分かった。(処方1 )テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物・カナグリフロジン水和物配合錠(注)1 回1 錠 (1 日1 錠)1 日1 回 朝食前 30 日分(処方2 )エパルレスタット錠 50 mg 1 回1 錠 (1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食前 30 日分(処方3 )デュロキセチン塩酸塩カプセル 20 mg 1 回1 カプセル (1 日2 カプセル)1 日2 回 朝夕食後 30 日分注:テネリグリプチンとして 20 mg、カナグリフロジンとして 100 mg を含有する。(本日の処方箋に記載されていた検査値)血圧 115/65 mmHg、HbA1c 7.0%、CCr 90 mL/min、AST 14 IU/L、ALT 16 IU/L、LDL-C 95 mg/dL、TG(トリグリセリド)155 mg/dL、空腹時血糖 114 mg/dL
処方2 及び処方3 を確認した薬剤師が、聞き取り内容を考慮し、処方に関して医師へ行う提案として適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 処方1 の薬剤を減量処方1の配合剤は血糖や腎機能から見て減量の根拠はなく、今回の問題点であるパロキセチンとの併用とは無関係です。
- ⑵ 処方2 の薬剤を減量エパルレスタットの用量は通常量の1回50 mg1日3回であり、減量を提案する理由はありません。
- ⑶ 処方2 の薬剤を食後へ変更エパルレスタットは食前投与が承認用法であり、食後へ変更すると吸収・効果が低下するため不適切です。
- ⑷ 処方3 の薬剤を減量減量してもSSRIとSNRIの併用によるセロトニン症候群やCYP2D6阻害の問題は解消せず、最適な提案ではありません。
- ⑸ 処方3 の薬剤をミロガバリンべシル酸塩錠へ変更パロキセチンとの相互作用・セロトニン症候群を避けつつ神経障害性疼痛を治療できるため、ミロガバリンへの変更が適切です。
解説
正解は⑸です。患者は他院でSSRIのパロキセチンを服用しており、そこへSNRIのデュロキセチンが追加されています。パロキセチンは強いCYP2D6阻害薬で、CYP1A2とCYP2D6で代謝されるデュロキセチンの血中濃度を上昇させるうえ、セロトニン作動薬の重複によりセロトニン症候群のおそれがあります。単なる減量では重複は解消しないため、糖尿病性神経障害性疼痛に用いられ相互作用の少ないミロガバリンへの変更を提案するのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成