アルコール依存症の治療に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
アルコール依存症の治療に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 飲酒欲求を直接的に抑制するために、シアナミドを投与する。シアナミドはアルデヒド脱水素酵素を阻害し、飲酒時に不快症状を起こさせる抗酒薬です。飲酒欲求を直接抑えるのはアカンプロサートです。
- ⑵ 飲酒時に不快症状を誘発するために、アカンプロサートを投与する。アカンプロサートは飲酒欲求を抑えて断酒を維持する薬です。飲酒時に不快症状を誘発するのはシアナミドなどの抗酒薬です。
- ⑶ アルコール依存症の症状を緩和するために、メタノールを投与する。メタノールは視神経障害や代謝性アシドーシスを起こす有害物質で、治療には用いません。
- ⑷ 断酒の維持を補助するために、ナルメフェンを投与する。ナルメフェンはオピオイド受容体調節薬で、飲酒量の低減を目的に用いる薬であり、断酒の維持を目的とする薬ではありません。
- ⑸ アルコール離脱症状を改善するために、ロラゼパムを投与する。ロラゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬はアルコールと交差耐性があり、アルコール離脱症状の改善に用いられます。
解説
正解は⑸です。アルコール離脱症状(振戦、発汗、不安、けいれん、せん妄など)には、アルコールと交差耐性をもつベンゾジアゼピン系薬が用いられ、ロラゼパムは肝障害がある場合にも使いやすい薬です。シアナミドはアルデヒド脱水素酵素を阻害し、飲酒時にアセトアルデヒドを蓄積させて不快症状を起こす抗酒薬です。アカンプロサートは飲酒欲求を抑えて断酒を維持する薬で、両者の説明が入れ替わっています。ナルメフェンは飲酒量の低減に用いる薬で、メタノールは有害であり治療には用いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成