体重 60 kg の患者にアミノグリコシド系抗菌薬ゲンタマイシンを静脈内投与した…
体重 60 kg の患者にアミノグリコシド系抗菌薬ゲンタマイシンを静脈内投与したところ、以下の薬物動態パラメータが得られた。(薬物動態パラメータ)全身クリアランス(CLtot)75.0 mL/min、糸球体ろ過速度(GFR)62.5 mL/min、尿中未変化体排泄率( fe)0.92、血漿タンパク非結合率( fp)0.90その後、急性腎障害を発症したため、CLtot が 40.0 mL/min に、GFR が27.8 mL/min に、fe が 0.85 に低下した。本患者におけるゲンタマイシンのクリアランスに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、急性腎障害の前後で fp は変化しないものとする。
- ⑴ 腎障害前のゲンタマイシンの糸球体ろ過クリアランスは 62.5 mL/min である。糸球体ろ過クリアランスはfp×GFR=0.90×62.5=約56.3 mL/minで、62.5ではありません。
- ⑵ 腎障害の有無によらず、ゲンタマイシンの腎排泄には尿細管分泌が関与する。腎障害前後とも腎クリアランス(69.0、34.0)がfp×GFR(56.3、25.0)を上回り、分泌が関与します。
- ⑶ 腎障害の有無によらず、ゲンタマイシンは尿細管から再吸収されやすい。腎クリアランスが糸球体ろ過クリアランスを上回っており、正味で再吸収されやすいとはいえません。
- ⑷ ゲンタマイシンの腎クリアランスは腎障害によって変化しない。腎クリアランスは69.0 mL/minから34.0 mL/minへと、腎障害で大きく低下しています。
- ⑸ ゲンタマイシンの腎外クリアランスは腎障害の前後でほぼ一定である。腎外クリアランスは前が75.0−69.0=6.0、後が40.0−34.0=6.0 mL/minでほぼ一定です。
解説
正解は⑵と⑸です。腎クリアランスはfe×CLtotで、腎障害前は0.92×75.0=69.0 mL/min、後は0.85×40.0=34.0 mL/minです。糸球体ろ過クリアランスはfp×GFRで、前は0.90×62.5=56.3 mL/min、後は0.90×27.8=25.0 mL/minです。いずれの時点でも腎クリアランスが糸球体ろ過クリアランスを上回るため、尿細管分泌が関与しています。腎外クリアランス(CLtot−腎クリアランス)は前が6.0、後も6.0 mL/minでほぼ一定です。腎クリアランスは腎障害で約半分に低下しています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成