肝抽出率が 0.8、血中タンパク結合率が 0.9 の薬物の肝クリアランスに関する…
肝抽出率が 0.8、血中タンパク結合率が 0.9 の薬物の肝クリアランスに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物の肝臓での消失は、well-stirred model に基づくものとし、肝血流量は 100 L/h とする。
- ⑴ 肝クリアランスは肝血流量の変動の影響を顕著に受ける。肝抽出率が高い薬物の肝クリアランスは血流律速であり、肝血流量の変動の影響を顕著に受けます。
- ⑵ 肝クリアランスは肝固有クリアランスの変動の影響を顕著に受ける。肝固有クリアランスの変動の影響を顕著に受けるのは、肝抽出率が小さい(代謝律速の)薬物です。
- ⑶ 肝クリアランスは血中タンパク結合率の変動の影響を顕著に受ける。血中タンパク結合率の変動の影響を顕著に受けるのは、肝抽出率が小さく結合率の高い薬物です。
- ⑷ 肝クリアランスは 80 L/h である。肝クリアランス=肝血流量×肝抽出率=100 L/h×0.8=80 L/hです。
- ⑸ 肝固有クリアランスは8 L/h である。0.8=0.1×CLint÷(100+0.1×CLint)を解くと、肝固有クリアランスは4,000 L/hとなります。
解説
正解は⑴と⑷です。肝クリアランスは肝血流量×肝抽出率で求められ、100 L/h×0.8=80 L/hとなります。肝抽出率が0.8と大きい薬物は、肝臓に運ばれた薬物のほとんどが除去されるため、肝クリアランスは肝血流量に近い値となり、血流量の変動の影響を強く受けます(血流律速)。一方、肝固有クリアランスや血中タンパク結合率の変動の影響は受けにくくなります。well-stirred modelから計算すると、非結合形分率0.1のもとで肝固有クリアランスは4,000 L/hとなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成