この病棟で使用される血液成分の製剤について、薬剤師が講義で話す内容として適切なの…
ICU に常駐する薬剤師が、この病棟で使用している輸血用血液製剤のうちの血液成分の製剤に関する病棟スタッフ向けの講義を実施し、血液製剤に関する内容やその留意点について質問を受けた。この病院で採用されている血液成分の製剤は、赤血球液-LR「日赤」(注)、照射赤血球液-LR「日赤」(注)、濃厚血小板-LR「日赤」(注)、照射濃厚血小板-LR「日赤」(注)、新鮮凍結血漿-LR「日赤」(注)の5 種類であるが、ICU 病棟では、リスクマネジメントの観点から赤血球液と濃厚血小板は照射済の製剤を使用することが病棟の内規で決まっている。(注)・ 赤血球液-LR「日赤」、照射赤血球液-LR「日赤」:有効成分としてヒト赤血球を含む・ 濃厚血小板-LR「日赤」、照射濃厚血小板-LR「日赤」:有効成分としてヒト血小板を含む・ 新鮮凍結血漿-LR「日赤」:有効成分としてヒト血漿を含む
この病棟で使用される血液成分の製剤について、薬剤師が講義で話す内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 赤血球製剤には血液保存液(CPD 液)と赤血球保存用の添加液(MAP 液)が混合されているため、常温保存が可能である。赤血球製剤は、保存液が混合されていても2〜6℃で保存する必要があり、常温保存はできません。
- ⑵ 血小板製剤は振とうしながら保存する必要がある。血小板製剤は20〜24℃で振とうしながら保存し、血小板の凝集や機能低下を防ぎます。
- ⑶ 血漿製剤には血球成分は含まれていないため、使用前の血液型の確認は必要ない。血漿製剤には抗A・抗B抗体が含まれているため、ABO血液型の確認は必要です。
- ⑷ 照射されている血液製剤とは、輸血による移植片対宿主病(GVHD)予防目的で、放射線が照射された製品である。照射血液製剤は、輸血後GVHDを予防する目的で放射線を照射し、リンパ球の増殖能を失わせた製品です。
- ⑸ 新鮮凍結血漿-LR「日赤」は、放射線部で照射後に使用すること。新鮮凍結血漿は凍結・融解の過程でリンパ球が機能を失うため、放射線照射は不要です。
解説
正解は⑵と⑷です。血小板製剤は、血小板の機能を保つため20〜24℃で水平振とうしながら保存します。照射済みの血液製剤は、製剤中に含まれる供血者のリンパ球が患者の組織を攻撃する輸血後移植片対宿主病(GVHD)を予防するため、放射線を照射した製品です。赤血球製剤は保存液が混合されていても2〜6℃で保存する必要があります。血漿製剤にも抗A・抗B抗体が含まれるため、ABO血液型の確認が必要です。新鮮凍結血漿は凍結によりリンパ球が失活するため照射は不要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成