今回の薬物治療における薬剤管理として、適切なのはどれか。2つ選べ。
73 歳女性。左前頭部が柔らかく腫張しているのを自覚し、かかりつけ医を受診した。腫瘤性病変を指摘され、精査加療目的で紹介入院となった。CT 検査で頭蓋及び四肢に骨病変が認められた。骨髄検査の結果、単クローン性の形質細胞が37.0%であったことから多発性骨髄腫と診断され、以下のDLd(ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン)療法が開始された。DLd 療法 1 ~2 サイクルのレジメン投与日 薬剤名・規格 投与方法Day 1,8,15,22 ダラツムマブ(遺伝子組換え) 16 mg/kg 点滴投与点滴静注100 mg/5 mLDay 1~21 レナリドミドカプセル5 mg 25 mg 経口投与Day 1,2,8,9, デキサメタゾン錠4 mg 20 mg 経口投与15,16,22,23Day 24~28 休薬
今回の薬物治療における薬剤管理として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ダラツムマブの使用にあたっては、製造販売業者が策定した適性流通管理システムへの薬剤師の登録が必要である。ダラツムマブには登録を要する適正流通管理システムはありません。登録制度があるのはサリドマイド類縁体です。
- ⑵ レナリドミドの使用にあたっては、製造販売業者が策定した適性管理手順に従って、調剤及び管理上の責任を担う、責任薬剤師の登録が必要である。催奇形性のあるレナリドミドは、適正管理手順に基づく責任薬剤師の登録のもとで調剤・管理する必要があります。
- ⑶ ダラツムマブを使用する前に、肝炎ウイルス感染の有無を確認する必要がある。ダラツムマブ投与によりB型肝炎ウイルスが再活性化するおそれがあるため、投与前に感染の有無を確認します。
- ⑷ レナリドミドは、服用しやすいように脱カプセルする必要がある。催奇形性があるため、薬剤への曝露を防ぐ目的で脱カプセルせずにそのまま服用します。
- ⑸ デキサメタゾンは、帳簿への記載が必要である。デキサメタゾン錠は麻薬や向精神薬などのように帳簿への記載が義務づけられた医薬品ではありません。
解説
正解は⑵と⑶です。レナリドミドはサリドマイド類縁体で催奇形性があるため、製造販売業者が定めた適正管理手順(RevMate)に従い、処方医・責任薬剤師・患者の登録などが必要です。ダラツムマブなどの抗CD38抗体ではB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているため、投与前に肝炎ウイルス感染の有無を確認します。レナリドミドは曝露を防ぐため脱カプセルせずに服用し、デキサメタゾンは帳簿記載が義務づけられた医薬品ではない点で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成