処方薬で治療を継続した結果、皮疹は治まったものの、その部位で断続的な刺すような痛…
28 歳女性。高校教員として勤務している。ここ数ケ月、仕事のストレスから風邪をひきやすく、体調が優れない日が続いていた。最近になり、左胸背部に赤い発疹が多く現れ、ピリピリとする痛みが出てきたことから、近医を受診した。診断の結果、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。(処方)バラシクロビル錠500 mg 1 回2 錠(1 日6 錠)アセトアミノフェン錠500 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 7 日分
処方薬で治療を継続した結果、皮疹は治まったものの、その部位で断続的な刺すような痛みや持続的で焼けるような痛みが生じるようになった。これらの症状に対して使用する薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 電位依存性Ca²⁺ チャネルの機能の抑制プレガバリンやミロガバリンは電位依存性Ca²⁺チャネルの機能を抑制し、帯状疱疹後神経痛に用いられます。
- ⑵ γ-アミノ酪酸GABAB 受容体の刺激GABAB受容体を刺激するのはバクロフェンで、痙性麻痺に用いる筋弛緩薬です。
- ⑶ オピオイド μ 受容体の刺激トラマドールなどのオピオイドμ受容体刺激薬は、神経障害性疼痛にも用いられます。
- ⑷ セロトニン5-HT1B/1D 受容体の刺激5-HT1B/1D受容体の刺激はトリプタン系薬の作用機序で、片頭痛発作の治療に用います。
- ⑸ カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の遮断CGRP受容体の遮断は片頭痛の発作治療・予防に用いる薬の作用機序で、帯状疱疹後神経痛の治療ではありません。
解説
正解は⑴と⑶です。皮疹が治まった後に続く刺すような痛みや焼けるような痛みは、帯状疱疹後神経痛で、神経障害性疼痛に当たります。治療には、電位依存性Ca²⁺チャネルのα2δサブユニットに結合して興奮性神経伝達物質の放出を抑えるプレガバリンやミロガバリンが用いられます。また、オピオイドμ受容体を刺激するトラマドールなども用いられます。GABAB受容体刺激はバクロフェン、5-HT1B/1D受容体刺激とCGRP経路の遮断は片頭痛治療薬の作用機序です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成