褥瘡チームの薬剤師による医師への提案として適切なのはどれか。2つ選べ。
55 歳男性。身長165 cm、体重46 kg。脳血管障害により3 年前から寝たきりの状態となり自宅療養中であった。ベッドから誤って転落し、大腿骨を骨折したため、入院となった。入院時、仙骨部に褥瘡が認められ、病態としては黄色期と判断されたことから、褥瘡チームが介入した。褥瘡チームが回診で確認したところ滲出液、創周囲の感染徴候が認められた。
褥瘡チームの薬剤師による医師への提案として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 急性期の病態と考えられることから、積極的な薬物治療は行わず、経過観察する。黄色期は壊死組織や感染への対応が必要な慢性期の段階であり、経過観察だけでは不適切です。
- ⑵ 抗菌薬を全身投与する。抗菌薬の全身投与は蜂窩織炎や敗血症など全身性の感染徴候がある場合に考慮するもので、まずは局所治療を行います。
- ⑶ スルファジアジン銀クリームを患部に塗布する。銀による抗菌作用をもち、壊死組織を軟化させるため、感染を伴う黄色期の褥瘡に適しています。
- ⑷ 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏を患部に塗布する。ポビドンヨードの抗菌作用と白糖の滲出液吸収作用をもち、感染と滲出液を伴う褥瘡に適しています。
- ⑸ クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏を患部に塗布する。強力なステロイド外用薬は創傷治癒を遅らせ、感染を悪化させるおそれがあるため、褥瘡には用いません。
解説
正解は⑶と⑷です。黄色期は壊死組織が残り滲出液が多い時期で、この患者には創周囲の感染徴候もあります。そのため、抗菌作用をもつ外用薬で局所の感染を制御することが優先されます。スルファジアジン銀は銀による抗菌作用をもち、精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏は抗菌作用に加えて白糖が滲出液を吸収するため、この病態に適しています。抗菌薬の全身投与は発熱などの全身感染徴候がある場合に考慮するもので、局所の感染徴候のみなら外用薬が中心です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成