この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
43 歳男性。身長170 cm、体重75 kg。双極性障害で処方1 の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2 が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。(処方1 )バルプロ酸Na 徐放錠200 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)炭酸リチウム錠200 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分(処方2 )ラモトリギン錠25 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(検査値)血清クレアチニン1.0 mg/dL、AST 28 IU/L、ALT 22 IU/L、血清中リチウム濃度1.2 mEq/L、血清中バルプロ酸濃度100 μg/mL
この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ バルプロ酸Na 徐放錠200 mg の投与量を、1 日200 mg に減量する。血中バルプロ酸濃度100 μg/mLは有効域内であり、1日200 mgへ大幅に減量する理由はありません。
- ⑵ バルプロ酸Na 徐放錠200 mg の投与量を、1 日1200 mg に増量する。血中濃度は有効域の上限付近にあり、1日1200 mgへ増量すると中毒域に達するおそれがあります。
- ⑶ ラモトリギン錠の投与量を、1 日50 mg に増量する。バルプロ酸併用時に50 mgで開始すると、重篤な皮膚障害のリスクが高まるため不適切です。
- ⑷ ラモトリギン錠の用法を、朝食後2 時間以降投与に変更する。ラモトリギンの吸収は食事の影響をほとんど受けず、服用時刻を変える必要はありません。
- ⑸ ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。バルプロ酸併用時の開始用量は25 mg隔日投与であり、皮膚障害を避けるため隔日投与への変更を照会します。
解説
正解は⑸です。バルプロ酸はラモトリギンのグルクロン酸抱合を阻害し、血中濃度を約2倍に上げるため、併用時は投与量を減らして開始します。双極性障害でバルプロ酸を併用する場合、ラモトリギンは最初の2週間は25 mgを隔日投与とし、その後段階的に増量します。用量を守らずに開始すると、中毒性表皮壊死融解症など重篤な皮膚障害のリスクが高まるため、隔日投与への変更を疑義照会します。バルプロ酸やリチウムの濃度は治療域内で、変更の必要はないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成