この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
57 歳男性。身長175 cm、体重63 kg。患者は大腸がんの治療で、3 ケ月前より病院でFOLFIRI 療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患者の訴えがあり、XELOX 療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更され、今回、患者が処方1 及び処方2 の処方箋を持って、来局した。その際、患者から、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。(処方1 )カペシタビン錠300 mg 1 回6 錠(1 日12 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分 休薬7 日間(処方2 )ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25 g/本)4 本両手・両足に適量を塗布 1 日4 回 朝昼夕就寝前
この患者への薬局薬剤師の指導内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 手の赤みや痛みの症状は一過性ですぐに良くなるので、心配ありません。手足症候群は治療の継続で悪化することがあり、放置すると休薬が必要になるため、心配ないとは言えません。
- ⑵ 手の赤みや痛みの症状がなくなっても、処方2 の薬を指示どおり継続して塗布してください。手足症候群の予防には保湿が重要で、症状が消えても指示どおり保湿剤を継続して塗ることが必要です。
- ⑶ 点滴治療をした日に手のしびれを感じた際は、冷水でよく冷やしてください。オキサリプラチンの急性末梢神経障害は寒冷刺激で誘発・増悪するため、冷水で冷やしてはいけません。
- ⑷ 手のしびれは数日後に軽快しますが、ひどく痛みが続く場合は、医師に連絡してください。急性のしびれは通常数日で軽快しますが、強い痛みが持続する場合は医師に連絡するよう伝えます。
- ⑸ 激しい下痢が生じた場合は、市販の下痢止めを服用して、処方1 の薬を継続して服用してください。激しい下痢はカペシタビンの重い副作用の可能性があり、服用を中止して医療機関に連絡するのが適切です。
解説
正解は⑵と⑷です。カペシタビンでは手掌・足底発赤知覚不全症候群(手足症候群)が起こりやすく、症状が消えても保湿剤を継続して塗ることが予防に重要です。オキサリプラチンでは投与当日から数日間、寒冷刺激で誘発される手足のしびれ(急性の末梢神経障害)が現れますが、通常は数日で軽快します。そのため冷たい物に触れないよう指導し、強い痛みが続く場合は医師に連絡してもらいます。激しい下痢では服薬を中止して連絡するのが原則です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成