下表には薬物の肝抽出率及び血漿タンパク結合率を示す。これら3 種の薬物の体内動態…
下表には薬物の肝抽出率及び血漿タンパク結合率を示す。これら3 種の薬物の体内動態の変動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。薬物 肝抽出率 血漿タンパク結合率ニカルジピン 0.7 より大 0.8 より大フェニトイン 0.3 より小 0.8 より大テオフィリン 0.3 より小 0.8 より小
- ⑴ ニカルジピンの肝クリアランスは、肝血流量による影響を受けない。肝抽出率が0.7より大きい薬物は肝クリアランスが肝血流量にほぼ等しく、肝血流量の変動を強く受けます。
- ⑵ ニカルジピンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝血流量が一定であれば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けない。高抽出率薬物では全身クリアランスが肝血流量で決まるため、非結合形濃度は非結合率に比例して変動します。
- ⑶ フェニトインとテオフィリンの肝クリアランスは、いずれも肝固有クリアランスの変動の影響を受けやすい。低抽出率薬物の肝クリアランスは非結合率と肝固有クリアランスの積で近似され、固有クリアランスの変動を受けやすいです。
- ⑷ 血漿タンパク質の減少による肝クリアランスへの影響は、フェニトインよりテオフィリンの方が大きい。結合率が高いフェニトインはタンパク減少で非結合率が大きく変化するため、影響はテオフィリンより大きくなります。
- ⑸ フェニトインとテオフィリンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝固有クリアランスが一定であれば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けない。低抽出率薬物の定常状態非結合形濃度は投与速度÷肝固有クリアランスで表され、結合率の変動には影響されません。
解説
正解は⑶と⑸です。肝抽出率が小さいフェニトインとテオフィリンは、肝クリアランスが非結合率×肝固有クリアランスで近似できるため、固有クリアランスの変動を受けやすくなります。また、定常状態の非結合形濃度は投与速度÷固有クリアランスとなり、結合率が変わっても影響されません。一方、肝抽出率が大きいニカルジピンは肝クリアランスが肝血流量に依存します。結合率の変動の影響は、結合率が高いフェニトインの方がテオフィリンより大きくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成