剤形変更後の製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
34 歳女性。身長165 cm、体重40 kg。統合失調症の診断を受け、外来にてリスペリドン経口製剤で治療を受けていた。内服継続にて症状は安定してきたため、医師が患者にリスペリドンの持効性注射剤について説明したところ、患者はその使用を希望した。そこで、リスペリドンの投与並びに持効性注射剤へ剤形変更する際の注意点について、担当医から医薬品情報管理室に確認があった。(検査値)AST 36 IU/L、ALT 18 IU/L、BUN 5.8 mg/dL、血清クレアチニン0.92 mg/dL白血球4,200/μL、赤血球340 × 10⁴/μL、Hb 10.5 g/dL血小板32.5 × 10⁴/μL(処方)リスペリドン持効性懸濁注射液25 mg1 回25 mg 2 週間間隔で、臀部に筋肉注射する添加剤バイアル中 dl-ラクチドグリコリド共重合体専用懸濁用液 カルメロースナトリウム、塩化ナトリウムリン酸水素二ナトリウム二水和物、ポリソルベート無水クエン酸、水酸化ナトリウム
剤形変更後の製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 生分解性高分子に薬物を封入して、長期間の薬物放出を行うことができる。生分解性高分子のPLGAに薬物を封入し、その分解に伴って長期間薬物を放出させる製剤です。
- ⑵ 脂質二重膜により薬物を保護することで、長期間安定に保存できる。脂質二重膜で薬物を保護する製剤はリポソーム製剤で、本剤には当てはまりません。
- ⑶ 薬物結晶の表面を生分解性高分子でコーティングしている。本剤は薬物をPLGAのマイクロスフェア内部に分散・封入しており、結晶表面のコーティングではありません。
- ⑷ 分子内に親水性部と疎水性部をもつ高分子が、自己会合して薬物を保持している。両親媒性高分子が自己会合して薬物を保持するのは高分子ミセル製剤です。
- ⑸ 水溶性高分子を結合させた脂質を用いて、静脈内での滞留性が改善されている。水溶性高分子を結合させた脂質で血中滞留性を高めるのはPEG修飾リポソームで、筋注の本剤とは異なります。
解説
正解は⑴です。リスペリドン持効性懸濁注射液は、生分解性高分子であるdl-ラクチド・グリコリド共重合体(PLGA)のマイクロスフェアの中にリスペリドンを封入した製剤です。筋肉内に注射されたのちPLGAがゆっくり加水分解されるにつれて薬物が放出されるため、2週間間隔の投与で効果が持続します。脂質二重膜で保護するのはリポソーム、自己会合した両親媒性高分子が薬物を保持するのは高分子ミセル、水溶性高分子結合脂質で滞留性を高めるのはPEG修飾リポソームです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成