処方2 の製剤が持続性を示す理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
55 歳男性。ゲーム開発企業に勤務しており、勤務時間中はディスプレイを見ることが多い。1 年前より、目のかすみと視野の一部が見えづらく感じたため、眼科を受診したところ、緑内障と診断され、処方1 にて治療している。今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2 が追加となった。(処方1 )ビマトプロスト点眼液0.03%(2.5 mL/本) 1 本1 回1 滴1 日1 回 朝 両目点眼(処方2 )チモロールマレイン酸塩持続性点眼液0.25%(2.5 mL/本) 1 本1 回1 滴1 日1 回 朝 両目点眼〔添加剤〕 ジェランガム、トロメタモールベンゾドデシニウム臭化物、D-マンニトール
処方2 の製剤が持続性を示す理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 油性の溶剤を用いて、薬効の発現を緩やかにしている。本剤は水性の点眼液で、油性の溶剤により効果を緩やかにしている製剤ではありません。
- ⑵ 薬物と添加剤が不溶性の複合体を形成している。本剤は薬物と添加剤の不溶性複合体ではなく、ゲル化剤による滞留性の向上で持続化しています。
- ⑶ 体温により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。体温でゲル化する製剤はメチルセルロースなどを用いたもので、ジェランガムの機序とは異なります。
- ⑷ 涙液の成分により、結膜嚢での薬物滞留性を向上させる物質が添加されている。ジェランガムが涙液中の陽イオンでゲル化し、結膜嚢での薬物滞留性を高めて効果を持続させます。
- ⑸ 涙液のpH で徐々に溶解する懸濁粒子が配合されている。本剤は懸濁粒子を含まない製剤で、涙液のpHで溶解する粒子による持続化ではありません。
解説
正解は⑷です。処方2の添加剤に含まれるジェランガムは、涙液中のナトリウムイオンなどの陽イオンと反応してゲル化する多糖類です。点眼すると結膜嚢内でゲルとなって薬物が長くとどまり、角膜からの吸収が持続するため、1日1回の点眼で効果が続きます。体温によりゲル化するのはメチルセルロースなどを用いた別の持続性製剤で、本剤の機序とは異なります。油性溶剤や不溶性複合体、懸濁粒子の溶解を利用した製剤でもない点を、添加剤から読み取ることが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成