処方2 の薬物の脂質異常症改善作用に関与するのはどれか。2つ選べ。
50 歳男性。身長165 cm、体重72 kg。5 年前に脂質異常症及び高血圧症の診断を受け、処方1 による治療が行われていた。本日、外来診療において、脂質異常症のコントロールが不十分であることから、処方2 が追加されることになった。(処方1 )ピタバスタチンCa 錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)アゼルニジピン錠8 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )ペマフィブラート錠0.1 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分(身体所見及び検査値)血圧128/82 mmHg、総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 24 IU/L、ALT 12 IU/L、血清クレアチニン0.8 mg/dL、尿酸5.0 mg/dL、BUN 12 mg/dL、LDL-C 120 mg/dL、HDL-C 50 mg/dL、TG(トリグリセリド)348 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 99 mEq/L、空腹時血糖120 mg/dL、HbA1c 5.8%
処方2 の薬物の脂質異常症改善作用に関与するのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ HDL コレステロールの低下ペマフィブラートはApoA-Ⅰの発現を高めてHDLコレステロールを増加させます。
- ⑵ リポタンパク質リパーゼ(LPL)の活性化PPARαの活性化によりリポタンパク質リパーゼが活性化され、トリグリセリドの分解が促進されます。
- ⑶ アポタンパク質C-Ⅲ(ApoC-Ⅲ)発現の抑制LPLを阻害するアポタンパク質C-Ⅲの発現を抑え、トリグリセリドの低下に関与します。
- ⑷ アポタンパク質A-Ⅰ(ApoA-Ⅰ)発現の抑制ペマフィブラートはアポタンパク質A-Ⅰの発現を促進し、抑制はしません。
- ⑸ 脂肪酸の β 酸化の抑制ペマフィブラートは肝臓での脂肪酸のβ酸化を亢進させ、トリグリセリドの合成を抑えます。
解説
正解は⑵と⑶です。ペマフィブラートは選択的PPARαモジュレーターで、PPARαを活性化して脂質代謝に関わる遺伝子の発現を調節します。リポタンパク質リパーゼ(LPL)を活性化し、LPLを阻害するアポタンパク質C-Ⅲの発現を抑えることで、トリグリセリドに富むリポタンパク質の分解を促進します。またアポタンパク質A-Ⅰの発現を高めてHDLコレステロールを増加させ、肝臓での脂肪酸のβ酸化を亢進させてトリグリセリドの合成を抑えます。HDL低下やApoA-Ⅰ抑制は逆の作用です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成