薬剤師が勉強会で説明する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬剤師が病院薬剤部内の勉強会で、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2 )阻害薬A の心保護作用について発表することになり、以下の文献を入手した。動脈硬化性心疾患を有する、または、動脈硬化性心疾患リスクが高い2 型糖尿病患者を対象に、「A 投与群」、「A 非投与群」の2 群に無作為に割り付けし、心血管死または心不全による入院を主要評価項目として検討したところ、以下の結果を得た。A投与群 A非投与群Outcome(N = 8,582) (N = 8,578)Hazard Ratio人(%)発生率 人(%)発生率(95%信頼区間)Cardiovascular death 417(4.9)12.2 496(5.8)14.7 0.83(0.73-0.95)or hospitalizationfor heart failure0.50 ― 1.0 1.5発生率は1,000 人年(注)当たりの発生数を示す。(注)1 人を1 年間観察した場合、1 人年に相当する。New England Journal of Medicine, 380, 347-357, 2019 より一部抜粋・修正
薬剤師が勉強会で説明する内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 主要評価項目は、代用エンドポイントを用いています。心血管死や心不全による入院は真のエンドポイントで、代用エンドポイントではありません。
- ⑵ ハザード比の95%信頼区間が1 を含んでいないことから、両群間に統計学的に有意差が認められます。ハザード比の95%信頼区間が1を含まないため、統計学的に有意差があるといえます。
- ⑶ 相対リスク減少は83%です。相対リスク減少は1-0.83=0.17 で、17%です。
- ⑷ A の投与は、2 型糖尿病患者において主要評価項目のリスクを減少させるといえます。主要評価項目のハザード比が有意に1を下回っており、リスクを減少させるといえます。
- ⑸ A の投与は、2 型糖尿病患者において心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の心血管イベントの複合項目のリスクを減少させるといえます。本研究の主要評価項目は心血管死又は心不全による入院で、心筋梗塞や虚血性脳卒中を含む複合項目は評価していません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑷です。ハザード比0.83 の95%信頼区間は0.73〜0.95 で1を含んでいないため、両群間に統計学的な有意差があるといえます。したがって、A の投与は2型糖尿病患者で心血管死又は心不全による入院という主要評価項目のリスクを減少させるといえます。この主要評価項目は死亡や入院といった真のエンドポイントで、相対リスク減少は1-0.83=17%です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成