治療薬の処方意図として、適切なのはどれか。2つ選べ。
62 歳女性。身長153 cm、体重56 kg。動悸及び息切れを自覚し、近医を受診したところ非弁膜症性心房細動と診断され、以下の処方で治療を開始することになった。患者の検査値等は以下のとおりである。(所見及び検査値)血圧140/86 mmHg、心拍数160 拍/分、脈拍数90 拍/分、AST 23 IU/L、ALT 28 IU/L、eGFR 40 mL/min/1.73 m²(心電図)RR 間隔不規則、P 波消失、f 波出現(処方1 )ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )ビソプロロールフマル酸塩錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
治療薬の処方意図として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 心拍数の調節(レートコントロール)ビソプロロールは房室伝導を抑えて心拍数を調節する、レートコントロールを目的としています。
- ⑵ 洞調律の維持(リズムコントロール)洞調律の維持には抗不整脈薬が用いられ、処方薬はリズムコントロールを目的としたものではありません。
- ⑶ 冠動脈血栓の予防冠動脈血栓の予防には主に抗血小板薬が用いられ、本処方の主な意図ではありません。
- ⑷ 肺塞栓症の予防心房細動でできる血栓は主に体循環に流れるため、肺塞栓症の予防が主目的ではありません。
- ⑸ 脳塞栓症の予防ワルファリンは心房内血栓による心原性脳塞栓症を予防する目的で処方されています。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。この患者は心拍数160拍/分の頻脈を伴う非弁膜症性心房細動で、ビソプロロールは β1 遮断作用により房室結節の伝導を抑え、心拍数を調節するレートコントロールを目的としています。ワルファリンは、心房細動で心房内にできた血栓が脳へ流れて起こる心原性脳塞栓症を予防する目的で処方されています。洞調律に戻すリズムコントロールを目的とした抗不整脈薬は処方されていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成