この患者でリスペリドン服用中に認められた副作用発生の主な機序として、正しいのはど…
23 歳女性。半年前に幻覚と妄想が出現し統合失調症と診断され、リスペリドン6 mg による治療を受けていた。精神症状は改善したが、手のふるえや筋肉が突っ張るような錐体外路症状が出現した。また、これまで規則正しかった月経が止まったとの訴えがあり、検査により高プロラクチン血症と診断された。患者から別の薬剤への変更を希望され、以下の処方へ変更することになった。(処方)アリピプラゾール錠12 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
この患者でリスペリドン服用中に認められた副作用発生の主な機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 線条体におけるドパミンD2 受容体遮断線条体の D2 受容体遮断により、振戦や筋強剛などの錐体外路症状が起こります。
- ⑵ 線条体におけるセロトニン5-HT2A 受容体遮断線条体の5-HT2A 受容体遮断は、むしろ錐体外路症状を軽減する方向に働きます。
- ⑶ 中脳辺縁系におけるドパミンD2 受容体遮断中脳辺縁系の D2 受容体遮断は、幻覚や妄想を改善する治療効果の機序です。
- ⑷ 中脳辺縁系におけるセロトニン5-HT2A 受容体遮断5-HT2A 受容体遮断は陰性症状の改善などに関わるとされ、これらの副作用の主な機序ではありません。
- ⑸ 脳下垂体前葉におけるドパミンD2 受容体遮断下垂体前葉の D2 受容体遮断でプロラクチン分泌が増え、高プロラクチン血症と無月経が起こります。
解説
正解は⑴と⑸です。手のふるえや筋肉のこわばりなどの錐体外路症状は、黒質線条体系のドパミン D2 受容体遮断によって生じます。月経停止を伴う高プロラクチン血症は、隆起漏斗系で視床下部から放出されるドパミンが下垂体前葉の D2 受容体に作用してプロラクチン分泌を抑えている働きが、遮断によって外れるために起こります。中脳辺縁系の D2 受容体遮断は抗精神病作用の機序です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成