この患者の初期治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。
60 歳男性。基礎疾患を指摘されたことはない。1 週間前から1 日に数回めまいを感じるようになった。今朝、強いめまいとふらつきを覚え、救急外来を受診した。来院時の血圧は118/84 mmHg、脈拍数32 回/分であった。心電図ではP 波とQRS 波が全く無関係に出現し、PP 間隔とRR 間隔がそれぞれ一定で、PR 間隔は不規則であった。また、P 波よりQRS 波の出現頻度が少なかった。
この患者の初期治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。
- ⑴ アミオダロンアミオダロンは頻脈性不整脈に用いる薬で、房室伝導を抑えるため徐脈を悪化させます。
- ⑵ ニトログリセリンニトログリセリンは狭心症などに用いる血管拡張薬で、徐脈の治療薬ではありません。
- ⑶ ランジオロールランジオロールは β1 遮断薬で心拍数を下げるため、徐脈を悪化させます。
- ⑷ アトロピンアトロピンは迷走神経の作用を遮断して心拍数を増やし、徐脈の初期治療に用いられます。
- ⑸ イソプレナリンイソプレナリンは β 受容体を刺激して心拍数と伝導を高め、房室ブロックによる徐脈に用いられます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。心電図で P 波と QRS 波が無関係に出現し、心房の興奮が心室に伝わっていないことから、完全房室ブロック(Ⅲ度房室ブロック)と考えられます。脈拍32回/分の徐脈でめまいを伴っているため、初期治療としては、ペーシングの準備をしつつ、迷走神経の作用を抑えるアトロピンや、β 受容体を刺激して心拍数を増やすイソプレナリンが用いられます。徐脈を悪化させる薬は避けます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成