この処方どおりに薬剤を提供した後に疑義に気が付き、医師に照会した結果、用量が適切…
新人薬剤師の導入研修で、以下の処方を題材として提示した。患者は、2歳女児。体重12 kg。各成分の添付文書等による1 回の適正使用量(成分量)は【表1 】のとおりとする。(処方)テオフィリンドライシロップ20% 1 回0.90 g(1 日1.80 g)1 日2 回 朝食後・就寝前 5 日分クラリスロマイシンドライシロップ10% 1 回0.60 g(1 日1.20 g)1 日2 回 朝夕食後 5 日分耐性乳酸菌製剤散100% 1 回0.28 g(1 日0.84 g)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分カルボシステインドライシロップ50% 1 回0.24 g(1 日0.72 g)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分クレマスチンドライシロップ0.1% 1 回0.90 g(1 日1.80 g)1 日2 回 朝夕食後 5 日分【表1 】1 回の用量(成分量)テオフィリン 1 回量 4 mg/kgクラリスロマイシン 1 回量 5 mg/kg耐性乳酸菌製剤散 1 回量 23 mg/kgカルボシステイン 1 回量 10 mg/kgクレマスチン 1 回量 16 μg/kg
この処方どおりに薬剤を提供した後に疑義に気が付き、医師に照会した結果、用量が適切ではないことが判明した場合、薬剤師がとるべき対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 患児の家族に連絡して、次回の診察までは薬をこのまま服用させるよう指導する。過量と判明した薬を服用させ続けると健康被害のおそれがあるため、このまま服用させる指導は適切ではありません。
- ⑵ 他にも同様の事例がないか薬局内で確認する。同様の誤りがほかにも起きていないかを薬局内で確認することは、適切な対応です。
- ⑶ 事例に関して、事実を経時的に整理して記録する。事例の事実を経時的に整理して記録することは、原因分析と再発防止のために適切です。
- ⑷ 再発防止のため、指針の見直しや従事者が行う対策を検討する。再発防止のため指針の見直しや従事者の対策を検討することは、適切な対応です。
- ⑸ 公益財団法人日本医療機能評価機構に、ヒヤリ・ハット事例として報告を行う。日本医療機能評価機構にヒヤリ・ハット事例として報告することは、適切な対応です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。用量が適切でないと判明した薬剤を、次回の診察まで服用させ続けると、テオフィリン中毒などの健康被害につながるおそれがあります。速やかに家族に連絡して服用を中止してもらい、医師の指示に従って正しい用量の薬剤と交換するなどの対応が必要です。あわせて、同様の事例がないかの確認、事実の経時的な記録、再発防止策の検討、日本医療機能評価機構の薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への報告を行うことは適切な対応です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成