この患者に薬剤師が行った対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
75 歳男性。1 年前から、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症と不眠症のため、近医を受診し、前回同様の以下の薬剤が処方された。患者のお薬手帳には、3日前に初めて受診した別の泌尿器科から処方された薬が記載されていた。薬剤師が患者の家族に確認をしたところ、一昨日から、特に午前中にぼんやりしていることが多く、最近は物忘れが目立つため、認知症を発症したのではないかと心配していた。(処方)ロサルタンカリウム錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ヒドロクロロチアジド錠12.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ロスバスタチン錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)フェブキソスタット錠40 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分ブロチゾラム錠0.25 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分(お薬手帳)タムスロシン塩酸塩口腔内崩壊錠0.2 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 14 日分エスゾピクロン錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 14 日分
この患者に薬剤師が行った対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 睡眠薬の副作用の可能性もあるため、今回の処方について医師に確認を行った。睡眠薬が重複しており副作用の可能性があるため、医師に確認するのは適切な対応です。
- ⑵ 服用している薬剤が多くなってきたため、医療機関ごとにお薬手帳を分けるように患者に指示した。お薬手帳を分けると服薬情報を一元的に把握できなくなるため、手帳を分けるよう指示するのは適切ではありません。
- ⑶ 睡眠薬などを自己調整して服薬していないか患者に確認した。睡眠薬を自己判断で増やしていないか確認することは、症状の原因を探るうえで適切です。
- ⑷ かかりつけ薬剤師の制度を説明し、かかりつけ薬剤師のいる薬局で全て調剤してもらうように勧めた。かかりつけ薬剤師・薬局で一元的に調剤してもらうよう勧めることは、重複の防止に役立つ適切な対応です。
- ⑸ 認知症の可能性も否定できないため、専門医へ行くように勧めた。薬の影響だけでなく認知症の可能性も否定できないため、専門医の受診を勧めるのは適切です。
解説
正解は⑵です。この患者は近医からブロチゾラム、泌尿器科からエスゾピクロンと2種類の睡眠薬が処方されており、午前中にぼんやりするなどの症状は睡眠薬の重複による持ち越し効果の可能性があります。このような重複や相互作用を防ぐには、お薬手帳を1冊にまとめて全ての医療機関・薬局の情報を一元的に確認できるようにすることが大切です。医療機関ごとにお薬手帳を分けるよう指示するのは逆効果で、適切ではありません。他の選択肢はいずれも適切な対応です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成