処方1 又は処方2 の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
63 歳男性。5 年前に糖尿病性腎症と診断され、シタグリプチンリン酸塩水和物、アルファカルシドール、ニフェジピン、酸化マグネシウム、セベラマー塩酸塩、ポリスチレンスルホン酸カルシウムで治療してきた。2 年前に貧血症状が現れ、ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)が追加された。現在のダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)の用法・用量は、処方1 のとおりである。(処方1 )ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液120 μg 1 回1 本静脈内投与 2 週間に1 回4 週分最近、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、目標値を維持することができておらず、その原因も不明であった。なお、血清フェリチン値は126 ng/mL、トランスフェリン飽和度は33%と正常域にある。この状態をふまえて、腎臓内科医は、処方1 から処方2 へ変更した。(処方2 )ダプロデュスタット錠4 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
処方1 又は処方2 の薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 補体C5 に結合することで、補体C5 を介した赤血球の破壊を抑制する。補体C5に結合して溶血を抑えるのはエクリズマブなどで、発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬です。
- ⑵ チミジル酸合成酵素の補酵素として作用することで、赤血球の産生を促進する。チミジル酸合成に補酵素として関わるのは葉酸(活性型)で、巨赤芽球性貧血の治療に用います。
- ⑶ ヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。ヘム合成の初段階の酵素(δ-アミノレブリン酸合成酵素)の補酵素はビタミンB6由来のピリドキサールリン酸です。
- ⑷ 赤芽球系前駆細胞に作用することで、赤血球への分化を促進する。ダルベポエチンアルファはエリスロポエチン受容体を刺激し、赤芽球系前駆細胞の赤血球への分化を促進します。
- ⑸ 低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIF を介したエリスロポエチンの産生を促進する。ダプロデュスタットはHIFプロリン水酸化酵素を阻害してHIFを安定化させ、エリスロポエチン産生を促進します。
解説
正解は⑷と⑸です。処方1のダルベポエチンアルファは持続型の赤血球造血刺激因子製剤で、エリスロポエチン受容体を介して赤芽球系前駆細胞に作用し、赤血球への分化・増殖を促進します。処方2のダプロデュスタットはHIFプロリン水酸化酵素阻害薬で、HIFの分解を抑えて内因性エリスロポエチンの産生を促します。補体C5への結合はエクリズマブ、チミジル酸合成に関わる補酵素は葉酸、ヘム合成酵素の補酵素はビタミンB6の作用であり、いずれも処方の薬ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成