処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄…
60 歳女性。身長160 cm、体重75 kg。検診にて50 歳時に脂質異常症を、55 歳時に糖尿病を指摘され加療中である。また、昨年よりeGFR が36.3mL/min/1.73 m² まで低下したため生活指導も受けている。外来診療において、次の薬剤が処方されている。(処方)エンパグリフロジン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)エゼチミブ錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ロスバスタチン口腔内崩壊錠5 mg 1 回4 錠(1 日4 錠)1 日1 回 朝食後 30 日分
処方されている薬物及び前問で処方の修正を提案する薬物のうち、脂質異常症の改善に寄与する薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。
- ⑴ 肝細胞膜上の電位依存性Ca²⁺ チャネルを遮断することで、血中へのVLDL 分泌を抑制する。肝細胞のCa²⁺チャネル遮断でVLDL分泌を抑える機序は、処方薬や提案薬のいずれにも当てはまりません。
- ⑵ HMG-CoA の生合成を阻害することで、コレステロールの生合成を抑制する。スタチンはHMG-CoAからメバロン酸を作るHMG-CoA還元酵素を阻害します。HMG-CoAの生合成を阻害するわけではありません。
- ⑶ 胆汁酸の小腸からの再吸収を抑制することで、肝細胞膜上のLDL 受容体数を減少させる。胆汁酸の再吸収を抑えると肝臓でコレステロールの需要が増え、LDL受容体数は増加します。
- ⑷ プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9 型(PCSK9)に結合することで、LDL 受容体の分解を抑制する。エボロクマブはPCSK9に結合して、LDL受容体の分解を抑制します。
- ⑸ 小腸刷子縁のコレステロールトランスポーターを阻害することで、小腸からのコレステロールの吸収を抑制する。エゼチミブは小腸のNPC1L1を阻害して、コレステロールの吸収を抑制します。
解説
正解は⑷と⑸です。エボロクマブはPCSK9に結合してLDL受容体との結合を妨げ、LDL受容体の分解を抑えて肝臓のLDL取り込みを増やします。エゼチミブは小腸刷子縁のコレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害して、コレステロールの吸収を抑えます。ロスバスタチンはHMG-CoA還元酵素を阻害する薬で、HMG-CoAの生合成を阻害するわけではありません。コレスチミドは胆汁酸の再吸収を抑えて、LDL受容体数を増加させます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成