入院時に投与するのが適切なのはどれか。2つ選べ。
72 歳男性。1 ヶ月前に妻と死別後独居となり、毎日ほとんど食事をとらず、アルコールを多量に摂取していた。ある朝、娘が自宅を訪れたところ、意識消失状態で床に倒れていたため、救急車を呼び救急病院に搬送された。診察の結果、ウェルニッケ脳症を疑い、治療を開始した。入院時所見:身長167 cm、体重50 kg、尿量30 mL/h血清クレアチニン値0.65 mg/dL、Na 150 mEq/L、K 4.0 mEq/L
入院時に投与するのが適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 高カロリー輸液高カロリー輸液はビタミンB1の需要を増やし、ウェルニッケ脳症やリフィーディング症候群を悪化させるおそれがあります。
- ⑵ 生理食塩水生理食塩水はナトリウム濃度が高く、Na 150 mEq/Lの高ナトリウム血症を悪化させるおそれがあります。
- ⑶ 5 %ブドウ糖加酢酸リンゲル液脱水と高ナトリウム血症があるため、ナトリウム濃度の低い5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液で補液します。
- ⑷ ビタミンB1 製剤ウェルニッケ脳症はビタミンB1欠乏が原因であり、ビタミンB1製剤の投与が治療の基本です。
- ⑸ カリウム製剤血清カリウムは4.0 mEq/Lと正常範囲であり、尿量も少ないため、カリウム製剤の投与は適切ではありません。
解説
正解は⑶と⑷です。ウェルニッケ脳症はビタミンB1(チアミン)の欠乏で起こるため、速やかにビタミンB1製剤を投与します。この患者は尿量が少なく、Na 150 mEq/Lと高ナトリウム血症を伴う脱水状態なので、ナトリウム濃度の低い5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液で水分を補います。ナトリウム濃度の高い生理食塩水は高ナトリウム血症を悪化させます。高カロリー輸液はB1の消費を増やしてリフィーディング症候群を招くおそれがあり、カリウムは正常です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成