体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、正常時にお…
体内動態が線形性を示す薬物Aは、肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、正常時における腎クリアランスは全身クリアランスの60%である。また、腎疾患時に薬物Aの肝クリアランスは変化しないが、腎クリアランスは糸球体ろ過速度(GFR)に比例して変化する。薬物Aを投与中の患者において、GFR が正常時の50%に低下したとする。薬物Aの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を腎機能正常時と同じにするには、投与量を腎機能正常時の何%に変更すればよいか。1つ選べ。
- ⑴ 2020%では腎クリアランスの低下分以上に減量しすぎで、AUCが正常時より小さくなります。
- ⑵ 4040%は肝クリアランスの割合のみを考えた値で、残っている腎クリアランスを考慮していません。
- ⑶ 70全身クリアランスは40+60×0.5=70となるため、投与量を70%にすればAUCが正常時と同じになります。
- ⑷ 140140%に増やすと、クリアランスが低下しているためAUCは正常時の2倍になります。
- ⑸ 250250%に増やすとAUCが大幅に増加し、中毒のおそれがあります。
解説
正解は⑶です。正常時の全身クリアランスを100とすると、腎クリアランスは60、肝クリアランスは40です。GFRが50%に低下すると腎クリアランスは30になり、肝クリアランスは40のままなので、全身クリアランスは70となります。AUC=投与量÷全身クリアランスなので、AUCを正常時と同じにするには、投与量を全身クリアランスと同じ割合、つまり正常時の70%に減らせばよいことになります。腎排泄の寄与率に応じて減量するという考え方です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成