75 歳以上のサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の高齢者160 名を対象に健康教育…
75 歳以上のサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の高齢者160 名を対象に健康教育を行うとともに、4 つのグループに無作為に分類して筋力トレーニング(筋トレ)、ロイシン高配合の必須アミノ酸のサプリメント摂取(サプリ摂取)を定期的に行いながら追跡調査を行った。3 ヶ月後、膝関節伸展筋力を指標としてサルコペニアが改善した者と改善しなかった者に分けたところ、以下の表の結果となった。また、3 ヶ月後の膝関節伸展筋力の変動(%)を調べて図に示した。膝関節伸展筋力合計群 改善しない 改善した(人)(人) (人)健康教育 + 筋トレ + サプリ摂取 28 12 40健康教育 + 筋トレ 33 7 40健康教育 + サプリ摂取 35 5 40健康教育のみ 37 3 403 *ヶ月 10後の膝 5関節伸展 0筋力の -5変動(% -10)健康教育 健康教育 健康教育 健康教育のみ+筋トレ +筋トレ +サプリ摂取+サプリ摂取3 ヶ月間の膝関節伸展筋力の変動(%)の平均± 標準偏差*は健康教育のみに比べて有意差あり(日本老年医学会誌49, 726-730, 2012 よりデータを一部改変)サルコペニア及びこの疫学研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ サルコペニアは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と同様に、将来介護が必要となる要因の一つである。サルコペニアは筋肉量・筋力の低下で転倒や身体機能低下を招き、ロコモと同様に要介護の要因となります。
- ⑵ 「健康教育 + 筋トレ」群よりも「健康教育 + サプリ摂取」群の方が、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は小さい。相対危険度は筋トレ群が33/37≒0.89、サプリ摂取群が35/37≒0.95で、サプリ摂取群の方が大きくなります。
- ⑶ 「健康教育 + 筋トレ + サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、約0.76 である。(28/40)÷(37/40)=28/37≒0.76となり、相対危険度は約0.76です。
- ⑷ この図から、筋トレよりもサプリ摂取を行う方が、膝関節伸展筋力の改善効果が高いことがわかる。表でも改善者は筋トレ群の方が多く、サプリ摂取の方が筋力の改善効果が高いとはいえません。
- ⑸ この疫学研究方法は、コホート研究である。対象者を無作為に4群に割り付けて介入しているので、コホート研究ではなく無作為化比較試験(介入研究)です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑶です。サルコペニアはロコモティブシンドロームやフレイルと同様に、将来介護が必要となる要因の一つです。表から「改善しない」割合を比べると、健康教育+筋トレ+サプリ摂取群は28/40=0.70、健康教育のみ群は37/40=0.925なので、相対危険度は約0.76です。筋トレ群(33/40)よりサプリ摂取群(35/40)の方が相対危険度は大きくなります。対象を無作為に割り付けて介入しているので、この研究は無作為化比較試験です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成