心奇形発生に及ぼすリチウム製剤の服用の相対危険度はどれか。1つ選べ。
精神神経科の医師から医薬品情報室に、妊婦がリチウム製剤とラモトリギン製剤を服用したときの胎児における心奇形の発生について質問があった。薬剤師が論文を検索し、各製剤の服用による胎児の心奇形発生に関するコホート研究報告を見つけた。論文には下表に示した結果が掲載されていた。表 妊婦のリチウム製剤又はラモトリギン製剤の服用による胎児の心奇形の発生数心奇形なし あり 合計薬剤非服用群 1,182,000 18,000 1,200,000リチウム製剤服用群 482 18 500ラモトリギン製剤服用群 1,950 50 2,000合計 1,184,432 18,068 1,202,500(参考:N Engl J Med 2017; 376: 2245-54.)
心奇形発生に及ぼすリチウム製剤の服用の相対危険度はどれか。1つ選べ。
- ⑴ 0.90.9は計算の根拠がない値で、リチウム服用群の発生率は非服用群より高くなっています。
- ⑵ 1.61.6はラモトリギン群の相対危険度(約1.7)に近い値で、リチウム群の値ではありません。
- ⑶ 2.4リチウム群の発生率0.036を非服用群の0.015で割ると、相対危険度は2.4になります。
- ⑷ 3.63.6はリチウム群の発生率3.6%をそのまま用いた値で、相対危険度ではありません。
- ⑸ 4.24.2は計算の根拠がない値で、正しい相対危険度は2.4です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。相対危険度は、曝露群での発生率を非曝露群での発生率で割って求めます。リチウム製剤服用群の心奇形の発生率は18÷500=0.036、薬剤非服用群の発生率は18,000÷1,200,000=0.015です。したがって相対危険度は0.036÷0.015=2.4となり、リチウム製剤を服用すると心奇形の発生リスクが非服用時の約2.4倍になることを示します。ちなみにラモトリギン製剤服用群は50÷2,000=0.025で、相対危険度は約1.7となります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成