5歳の男児。家族で焼肉を食べた数日後から、強い腹痛と水様の下痢が始まり、やがて血…
5歳の男児。家族で焼肉を食べた数日後から、強い腹痛と水様の下痢が始まり、やがて血便となった。便からベロ毒素を産生する大腸菌が検出された。この感染症と対応について、正しいのはどれか。
- ⑴ 止瀉薬は毒素の排出を遅らせるので用いず、溶血性尿毒症症候群の発症に注意して観察する。腸の運動を止めると毒素が腸にとどまるため、強い止瀉薬は避け、尿量や血液所見を見守ります。
- ⑵ 抗菌薬の予防投与を長く続け、血便が止まってからも数か月にわたって服用させる。長期の抗菌薬の投与は勧められず、治療の中心は水分の補給と合併症の観察です。
- ⑶ 強い止瀉薬で下痢を早く止めることが、合併症の予防に最も効果的な方法となる。止瀉薬は毒素の排出を遅らせ、合併症の危険を高めるおそれがあります。
- ⑷ 主な合併症は肝臓の膿瘍で、発症から数か月たってから現れることが多い。主な合併症は溶血性尿毒症症候群や脳症で、下痢の発症から1〜2週間以内に起こりやすいです。
- ⑸ 感染に多くの菌を要するため、家族の間での二次感染はほとんど起こらない。この菌は少ない菌量でも感染するため、家族への二次感染に注意が必要です。
解説
正解は、止瀉薬は毒素の排出を遅らせるため用いず、溶血性尿毒症症候群の発症に注意して観察するというものです。腸管出血性大腸菌は少ない菌量でも感染し、ベロ毒素によって血便や、小児や高齢者では溶血性尿毒症症候群や脳症を起こすことがあります。治療は水分の補給を中心とし、腸の運動を止める薬は避けます。家族への二次感染を防ぐため、手洗いや食品の十分な加熱の指導も大切です。
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