水に溶けにくい薬物の粒子を、ナノメートルの大きさまで細かくした製剤では、経口投与…
水に溶けにくい薬物の粒子を、ナノメートルの大きさまで細かくした製剤では、経口投与したときの吸収が改善した。その主な理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 粒子を小さくすると、薬物の分配係数が変わって脂溶性が大きく下がるため。分配係数は物質固有の性質で、粒子の大きさによって変わるものではありません。
- ⑵ 粒子が小さいと胃内容排出が遅れ、胃の中で長く溶けてから吸収されるため。粒子の大きさは主に溶解の速さに影響します。胃にとどめることを狙った製剤ではありません。
- ⑶ 粒子の比表面積が大きくなり、消化管の中での溶解速度が増すため。ノイエス・ホイットニーの式のとおり、表面積が大きいほど溶解速度が大きくなります。
- ⑷ 細かい粒子が、そのまま小腸の上皮の細胞の間を通って血液中へ取り込まれるため。吸収されるのは溶解した薬物で、粒子のまま細胞の間を通ることは主な理由ではありません。
- ⑸ 細かくすることで結晶が水和物へ変わり、胃の中での分解を免れるようになるため。粉砕で水和物に変わることを利用するのではなく、表面積の増加が吸収改善の要点です。
解説
正解は、粒子の比表面積が大きくなり、溶解速度が増すためです。水に溶けにくい薬物では、消化管の中で溶ける速さが吸収の速さと量を決めることが多く、ノイエス・ホイットニーの式によれば溶解速度は固体の表面積に比例します。ナノメートルの大きさまで微細化すると比表面積が大きく増え、溶解が速まって吸収が改善します。分配係数のような物質固有の性質は、粒子の大きさでは変わりません。
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