BCS(Biopharmaceutics classification syst…
BCS(Biopharmaceutics classification system)分類とは、薬物を溶解性と膜透過性に基づいて4 つに分類したものである。溶解性は低いが膜透過性が高いClass 2 の薬物Xを含有する経口固形製剤Aについて、以下のデータが得られている。製剤Aにおける吸収改善の機構と最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。ただし、薬物Xとしての経口投与量は同一とする。
- ⑴ 塩の形成塩の形成でも溶解性は改善しますが、塩は結晶であり回折ピークが現れるため、データと合いません。
- ⑵ 無水物化無水物化は結晶形の変化であり、結晶由来の回折ピークが残るため非晶質化とは異なります。
- ⑶ 共結晶化共結晶化は別の結晶を作る手法で、新たな回折ピークが現れるため非晶質のデータとは合いません。
- ⑷ 溶媒和物溶媒和物は結晶であり、一般に溶解性を下げることも多く、本データの説明になりません。
- ⑸ 固体分散体固体分散体では薬物が非晶質となり回折ピークが消え、過飽和溶解により吸収が改善します。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。製剤Aは、粉末X線回折で薬物の結晶に由来する鋭いピークが消えた非晶質のパターンを示し、溶出試験では薬物の飽和溶解度を超える過飽和の濃度に達し、血中濃度も微粉末より高くなっていると読み取れます。これは薬物を高分子担体中に非晶質の状態で分散させた固体分散体の特徴で、溶解度の低いBCSクラス2の薬物の吸収改善に用いられます。塩の形成や共結晶化、溶媒和物、無水物化では結晶としての回折ピークが残る点が異なります。図は見えないため、問題文の記述から判断しています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成