大腸がんの化学療法で、フルオロウラシルにレボホリナートを組み合わせて用いる。この…
大腸がんの化学療法で、フルオロウラシルにレボホリナートを組み合わせて用いる。この併用で抗腫瘍効果が強まる理由を、酵素阻害の観点から説明したものとして正しいのはどれか。
- ⑴ フルオロウラシルはプリン塩基に似た構造をもち、レボホリナートがプリン合成を促してその取り込みを増やすため。フルオロウラシルはピリミジン塩基のウラシルに似た構造をもつ代謝拮抗薬です。
- ⑵ 活性代謝物がDNAポリメラーゼの遷移状態に似た構造をとり、レボホリナートがその結合部位を広げるため。主な標的はチミジル酸合成酵素で、レボホリナートは結合部位を広げるのではなく複合体を安定させます。
- ⑶ レボホリナートがフルオロウラシルを分解するジヒドロピリミジン脱水素酵素を阻害し、血中濃度を保つため。分解酵素を阻害して濃度を保つのはギメラシルなどの働きで、レボホリナートの作用ではありません。
- ⑷ レボホリナートがジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、フルオロウラシルと同じ経路を二重に遮断するため。ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害するのはメトトレキサートで、レボホリナートは還元型葉酸を補います。
- ⑸ 活性代謝物がチミジル酸合成酵素・還元型葉酸と三者複合体をつくり、葉酸の補充でそれが安定化するため。還元型葉酸が十分にあると三者複合体が安定し、チミジル酸合成酵素の阻害が長く続きます。
解説
正解は、活性代謝物がチミジル酸合成酵素と還元型葉酸とで三者複合体をつくり、葉酸の補充で結合が強固になるためです。フルオロウラシルはウラシルに似た代謝拮抗薬で、体内でフルオロデオキシウリジン一リン酸となり、チミジル酸合成酵素を阻害します。この阻害には補酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸が関わるため、還元型葉酸であるレボホリナートを補うと複合体が安定し、阻害が長く続きます。
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