低用量のアスピリンを服用している患者では、服用を中止してもその抗血小板作用が数日…
低用量のアスピリンを服用している患者では、服用を中止してもその抗血小板作用が数日間続く。この理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ トロンボキサン受容体に競合的に結合し、内因性の作動物質の働きを長く遮り続けるため。アスピリンは受容体を遮断せず、トロンボキサンA2をつくる酵素の段階を阻害します。
- ⑵ 酵素を共有結合で不可逆的に修飾し、核のない血小板はその酵素をつくり直せないため。アセチル化による阻害は不可逆で、核のない血小板は酵素を合成し直せず、寿命の間は作用が続きます。
- ⑶ 血小板の膜に脂溶性の高い本体が蓄えられ、数日かけて少しずつ放出され続けるため。アスピリンは血中で速やかに加水分解されます。作用の持続は不可逆的な酵素の修飾によります。
- ⑷ 酵素の活性部位に水素結合で強く結びつき、解離するまでに数日を要する速さでしか離れないため。作用は水素結合による可逆的な結合ではなく、セリン残基のアセチル化という共有結合によります。
- ⑸ 肝臓で活性代謝物に変わり、血小板のアデノシン二リン酸受容体を不可逆的に遮断するため。活性代謝物がアデノシン二リン酸受容体を遮断するのはクロピドグレルなどの作用です。
解説
正解は、シクロオキシゲナーゼのセリン残基をアセチル化し、血小板ではこの酵素が新たにつくられないためです。アスピリンは酵素を共有結合で修飾する不可逆的な阻害薬です。血小板は核をもたず酵素を合成し直せないため、トロンボキサンA2の産生は、その血小板が寿命を終えて新しい血小板に置き換わるまで抑えられます。受容体の遮断や活性代謝物による作用は、別の抗血小板薬の特徴です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。