酵素を標的とする医薬品は、酵素の基質や反応の中間体に似た構造をもつことが多い。代…
酵素を標的とする医薬品は、酵素の基質や反応の中間体に似た構造をもつことが多い。代表的な医薬品の化学構造と、酵素への作用のしかたに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ エナラプリルはそのままの形で酵素に強く結合し、体内でエステルが加水分解されると作用を失う。エナラプリルはエステル型のプロドラッグで、加水分解されて活性体のエナラプリラトになります。
- ⑵ アロプリノールはアデノシンに似た構造をもち、アデノシンデアミナーゼを阻害して尿酸の生成を抑える。アロプリノールはヒポキサンチンに似た構造で、キサンチンオキシダーゼを阻害します。
- ⑶ アスピリンは活性部位のリシン残基をメチル化し、シクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害する。アスピリンは活性部位の近くのセリン残基をアセチル化して、不可逆的に阻害します。
- ⑷ カプトプリルのチオール基は、アンジオテンシン変換酵素の活性部位にある亜鉛イオンに配位して酵素を阻害する。亜鉛を含む金属酵素の活性部位に、チオール基が配位して結合することが阻害の鍵になります。
- ⑸ シンバスタチンはラクトン環をもつプロドラッグで、体内で開環し、酵素の基質に似た構造となって作用する。開環してできるヒドロキシ酸の部分が、コレステロール合成の律速酵素の基質に似た形になります。
解説
正解は⑷と⑸です。カプトプリルは、亜鉛を含むアンジオテンシン変換酵素の活性部位に、チオール基が亜鉛イオンへ配位することで結合して阻害します。シンバスタチンはラクトン環をもつプロドラッグで、体内で開環して生じたヒドロキシ酸の部分が、コレステロール合成の律速酵素の基質に似た形をとって阻害します。エナラプリルもエステル型のプロドラッグです。アスピリンはセリン残基をアセチル化して酵素を阻害します。
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