慢性腎臓病と心不全のある80歳の女性が、エナラプリルとスピロノラクトンを服用して…
慢性腎臓病と心不全のある80歳の女性が、エナラプリルとスピロノラクトンを服用している。今回の血液検査で血清カリウム値が大きく上昇しており、医師から処方の見直しについて相談を受けた。薬剤師の提案として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腎臓を保護するため、非ステロイド性抗炎症薬を追加して炎症を抑えることを提案する。非ステロイド性抗炎症薬は腎機能を悪化させ、カリウム値を上げる方向に働きます。
- ⑵ 不足しがちなカリウムを補うため、カリウムを含む製剤を追加することを提案する。カリウム値が高い状態でカリウムを補うと、不整脈などの危険が高まります。
- ⑶ 心不全の治療を強めるため、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を追加で併用することを提案する。レニン・アンギオテンシン系を抑える薬を重ねると、カリウム値はさらに上がりやすくなります。
- ⑷ カリウムを体に保持する作用のあるスピロノラクトンについて、中止か減量を提案する。腎機能が低下した患者では、カリウムを保持する薬の併用で高カリウム血症が起こりやすくなります。
- ⑸ カリウムの排泄を促すため、スピロノラクトンを増量して尿の量を増やすことを提案する。スピロノラクトンはカリウムを保持する利尿薬で、増量するとカリウム値はさらに上がります。
解説
正解は⑷です。エナラプリルなどの変換酵素阻害薬はアルドステロンの分泌を減らし、スピロノラクトンはアルドステロンの作用を遮断するため、どちらもカリウムを体にためる方向に働きます。腎機能が低下した高齢者でこれらを併用すると、高カリウム血症が起こりやすくなります。カリウム値が大きく上がった場合は、スピロノラクトンの中止や減量を提案し、カリウム値と腎機能を改めて確認することが適切です。
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