切除できない大腸がんの患者に、イリノテカンを含む化学療法を始める前に、グルクロン…
切除できない大腸がんの患者に、イリノテカンを含む化学療法を始める前に、グルクロン酸転移酵素1A1の遺伝子多型の検査が行われた。この検査を行う目的として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 抗がん薬に対するアレルギーの起こりやすさを予測し、前もって抗ヒスタミン薬を使うかどうかを決めるため。この検査はアレルギーではなく、代謝による副作用の起こりやすさを予測するためのものです。
- ⑵ 腎臓からの排泄の速さを予測し、患者の腎機能に合わせてイリノテカンの投与量を決めるため。この酵素は肝臓での抱合に関わる酵素で、腎臓からの排泄の速さを示すものではありません。
- ⑶ 活性代謝物を抱合して不活性化する酵素の働きが弱い人では、好中球の減少などの副作用が強く出やすいため。この酵素の働きが弱い多型をもつ人では活性代謝物が体内に残りやすく、重い副作用が起こりやすくなります。
- ⑷ がん細胞の遺伝子の変異を調べ、イリノテカンが効くがんかどうかを治療の前に判断するため。この酵素の検査は患者の体質としての遺伝子多型を調べるもので、がん細胞の変異を調べるものではありません。
- ⑸ イリノテカンを体内で活性体に変える酵素の働きが弱い人では、治療の効果が得られにくいため。この酵素は活性化ではなく、活性代謝物の抱合による不活性化に関わる酵素です。
解説
正解は⑶です。イリノテカンは体内で活性代謝物に変わって作用し、その活性代謝物は肝臓のこの酵素によるグルクロン酸抱合で不活性化されます。この酵素の働きが弱くなる遺伝子多型をもつ人では、活性代謝物が体内に長く残るため、好中球の減少や下痢などの副作用が強く出やすくなります。そこで治療の前に多型を調べ、該当する人では投与量を慎重に決めます。患者自身の体質を調べる検査です。
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